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耐震診断・耐震改修seismic-repair

耐震改修について

毎年、多くの災害が発生する日本において、建物の耐久性は重要なポイントです。
特に地震に対する建物の性能向上は、技術の進歩とともに進んでいますが、古い建物には破損・倒壊の危険性があります。
現在の建物を維持した状態で耐震性能を向上させることが「耐震改修」です。

  1. お客様に安心・安全を提供するために
  2. 地震に強い建物で安心の毎日を過ごすために
  3. 愛着ある建物と長く付き合うために

建物の耐震化への流れ

耐震改修を進めていくにあたっては、「耐震診断」「耐震改修計画・設計」「耐震改修工事」の3つのプロセスがあります。 ここでは、各ステップで何をするか、そして留意すべきことを示します。

1.耐震診断

予備調査

耐震診断レベルを設定するために必要な情報を集めます。

※設計図書や計算書、増改築や修繕の履歴などがわかる資料を準備しましょう

本調査

現地で構造躯体や非構造部材・設備機器等の現況を調査します。

※コンクリートコアを採取してコンクリート強度を調査したり、鉄筋の配筋状況などを調べる場合もあります

耐震性能の評価

「予備調査」「本調査」の情報をもとに、建築物の耐震性能を 評価します。

※耐震診断法には、必要な精度に応じて第1次、第2次、第3次診断法があり、既存鉄筋コンクリート造では第2次の適用性が最も高いです

2.耐震改修計画・設計

性能目標の設定

耐震性能(ls値)0.6を目標に、建物全体のバランスに配慮した目標を設定し、改修計画に反映させていきます。

改修計画

耐震性能目標を踏まえ、用途特性、使い勝手や営業との関係、工期やコスト等を勘案して工法を選定し、改修計画を立てます。

※コンクリートコアを採取してコンクリート強度を調査したり、鉄筋の配筋状況などを調べる場合もあります

計画に基づく
設計・積算

選定した耐震改修工法を設計図に反映しつつ工事費を積算します。効果的な耐震部材の配置や効率的なコストを目指します。

※耐震診断法には、必要な精度に応じて第1次、第2次、第3次診断法があり、既存鉄筋コンクリート造では第2次の適用性が最も高いです

3.耐震改修工事

工程・施工
計画の確認

工事工程を確認して営業時間や必要なテナント調整をしたり、施工時の障害(騒音や振動等)等を関係者に周知します。

※必要に応じてテナント調整(仮移設先や営業補償等を含めて)を事前に行っておく

工事期間中
の安全配慮

営業時間内に工事を行う場合、仮設計画を慎重に行い、工事動線の分離、仮囲いの養生、警備員配置等、安全対策を重視します。

※利用客の安全を第一に考える
※立地によっては工事車両の制限、資材置き場の確保が難しくなるので十分な仮設計画が必要

工事終了後の
確認・検査

耐震改修やあわせて行ったリニューアル工事後の状況を確認すると共に、将来的な維持保全・メンテナンス等を確認します。

※工事内容に関する履歴情報を作成・蓄積する
※維持保全計画とともに、将来的なメンテナンス工事等を確認

主な実績

志学館大学

志學館大学講義棟-改修後1

志學館大学講義棟-改修後2

鹿児島市役所別館

鹿児島市役所別館-改修後1
鹿児島市役所別館-改修後2

耐震補強工法の事例

A.強度の向上

1 .耐震壁の新設・増し打ち補強

→ 壁を新設、増し打ちすることで、柱、梁を補強し、耐力(強度)を向上させる。バランスの改善。


耐震壁の新設

K高校
2 鉄骨ブレースを新設

→ ブレースを新設することで、柱、梁を補強し、耐力(強度)を向上させる。

建物外部の場合

鉄骨ブレース仕上げ後
鉄骨ブレース仕上げ後(K病院)

建物内部の場合

鉄骨ブレース仕上げ後
鉄骨ブレース仕上げ後(K病院)
鉄骨ブレース仕上前
鉄骨ブレース仕上げ前(Sホテル)
3.柱の繊維巻き補強

→ 柱を炭素繊維などで補強し、耐力(強度)を向上させる。改修前後でほとんど変わらない。

柱繊維巻き補強仕上げ後(S大学)
柱繊維巻き仕上前(Sホテル)

耐震改修Q&A

Q1.建物に耐震改修が必要か分かりません

A.まず建物の建設年により大きく分けられます。昭和56年(1981年)5月31日以前の建物は「旧耐震」、それ以降のものは「新耐震」と建築基準法による耐震性能が異なります。
耐震改修の対象となるのは、主に「旧耐震」の時代に建てられた建物です。
また、防災拠点となる建物、病院・商業施設など不特定多数の人が利用する建物、災害時の緊急輸送道路に隣接する建物にも耐震化が求められています。

Q2.耐震改修すれば、建物が長持ちしますか

A.耐震改修は建物の構造的な強度を補うもので、骨折した人にギプスをするようなイメージです。
建物にはその他にも内外装(見た目)の劣化、設備機器の劣化など、建物としての機能を維持できなくなる様々な要因があります。耐震改修のみで建物の長寿命化を図ることはできません。
これらは耐震改修時に同時にリニューアル工事をすることも可能です。

Q3.どんな建物でも耐震改修できますか

A.耐震診断を行った結果、補強が必要と判断した場合でも、躯体の著しい劣化等により改修できない場合があります。

Q4.耐震改修・耐震診断のために必要な資料がありますか

A.建物建設時の図面、構造計算書、行政検査書類(確認申請書、検査済証など)、これまでの改修の履歴等が分かる資料が必要です。

Q5.建設当時の資料がなければ、耐震改修はできないのでしょうか

A.資料がなくても診断を行うことは可能です。ただし、調査において追加の時間・費用が発生します。

Q6.耐震改修にかかる費用はどのくらいですか。またどの段階で費用が発生しますか

A.改修にかかる費用は、建物の規模・構造・施工方法等により大きく異なるため、一概にご説明ができません。初期調査・耐震診断等、段階ごとにおおよその概算費用を算出し、都度予算との調整を行ってまいります。
弊社の調査・診断・設計にかかる費用はその段階ごとで計上いたしますので、ご安心ください。
また、初期相談段階では費用は発生いたしません。お気軽にご相談ください。

Q7.耐震改修・耐震診断を設計事務所に依頼するメリットはなんですか

A.設計事務所に依頼することにより、たくさんの改修工法の中から安全性・経済性・機能性をお客様の視点で検討し、建物に最適な工法を選択できます。
また改修工事は、工事中に建物隠ぺい部の想定外の劣化や図面と現物の相違がある場合も多く発生します。そのような場合でも、状況の調査や設計内容の変更をスムーズに行うことが可能です。
また、建物の意匠・設備の改修も同時に提案でき、質の高い建物にリニューアルさせることができます。

お問い合わせ

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